公開:2023年04月29日
東京メトロ全駅にて絶賛配布中の新しいフリーペーパー「AlkuTokyo(アルクトーキョー)」。
本誌だけでなく、Webページでもオリジナルの連載記事を展開していくことにしました。その1回目は街の気になる本屋さんを紹介していく『書店めぐり』連載のスタート。
赤坂駅から六本木方面に抜ける住宅街に、ひときわ目立つブルーの壁を見かけたことはありませんか? 少し横から見てみると本の形であることに気付きます。
こちらのお店は「双子のライオン堂」という本屋さん。さっそく扉を開けて、中に入ってみましょう。
赤坂駅から徒歩6分、大きなブルーの「本」が目印
お店は閑静な住宅街。
本の形状をしたブルーの扉は、店主の「本をめくって物語の中に入っていくような気分を味わってほしい」との願いから。
その本(扉)をめくると……。
所狭しと並んだ本たちが出迎えてくれました。靴を脱いでスリッパに履き替えるスタイルで、友人の家に来たかのような安心感があります。
「どこから見ていこう?」とあちこち気になるほどの充実ぶり。
創業当初は古書を専門に扱う書店でしたが、現在は話題の新書もあります。オードリーの若林正恭さんの著書もありました。
双子のライオン堂さんの特徴のひとつでもある著者による選書棚。
小説家・辻原登氏の著書と、辻原氏がセレクトした本が同じ棚にあります。現在30名ほどの著者たちが選書しているとのことで、お気に入りのあの著者がどんな本をレコメンドしてくれるか興味が湧くファンも多そうですね。
かわいい雑貨も販売されています。
ここで店主の竹田さんにお話を伺ってみます。
店主・竹田信弥さん
双子のライオン堂の店主、竹田信弥さん。
2003年に古書のネットショップを開業し、2013年には白山で前店舗をスタート。2015年に赤坂の地に移転し、書店オープンから10周年を迎えられました。
〜〜〜
――編集部:双子のライオン堂さんを取り巻く環境を教えて下さい。
竹田さん:赤坂の街は落ち着きもありつつ、オフィス街も近いので会社帰りに立ち寄っていかれる方もいらっしゃって、コロナ全盛時から人の流れも戻ってきた感じはします。ご近所の方と通勤の方、両方いらっしゃいます。
近くに公園や神社もありますので、街歩きの立ち寄りポイントとしてぜひお越しください。
――編集部:独自でオンラインイベント開催など情報発信もかなり積極的にされていますね?
竹田さん:コロナ前はリアルであることを大事にしていたのですが、今は著者さんをゲストにお呼びして色々とお話しする配信やオンラインで読書会をしたり。オンラインであれば遠方の方も参加していただけるので。
――編集部:印象的なブルーの扉ですが、何か理由はありますか?
竹田さん:作家のカフカの家が、ああいう感じのブルーで良いなと思って、前の白山のお店でも目印として使っていたんですが、赤坂のお店でも同様にしてみました。
――編集部:これから予定している活動や展望などはありますか?
竹田さん:書店に行くという行為が当たり前ではなくなってきていますが、まだ本や本屋の役割は大きいと思います。
お店で言えば、実際に来ていただいたときの”出会い”が楽しくなる工夫をしています。選書に力を入れているのもその一環です。「本屋に最近行かなかったけどこのお店は通いたい」そんな風に言っていただけると嬉しいです。
それと、小さな本屋が増えているので、書店同士のネットワークを強めて「あのお店には〇〇の在庫がある」といった情報共有のシステムができれば良いなと考えています。お客さんの欲しい本が近くの本屋でちゃんと買える機会を作れれば、買えないといった経験を減らせるのではないか? と。
お店にこないと出会えない貴重な本や雑貨たち
自ら編集者・ライターとしても活躍している竹田さん。双子のライオン堂の出版部が手掛ける自社の本も定期的に販売しています。
『本屋発の文芸誌 しししし』ですが、かわいい表紙が目をひきますね!
また大型店の流通網にはのらないコアな読み物の取扱も豊富です。ここにこないと読めない本があるわけですね。
「いい本であれば、プロアマ、メジャーインディー問わないで仕入れます。本屋の一番の役割は、読者にいい本を届けることだと思います」と竹田さん。
双子のライオン堂で販売されているリトルプレスやZINE(自主出版本)たち。よく見ると芥川賞作家の名前もありますね……!! これはぜひお店で確認していただきたいです。
大型書店ではなかなか知る機会が少ないのではないでしょうか。
店主オススメ選書
取材の終わり、竹田さんに個人的にオススメしたい本をセレクトしてもらいました。
左から
・『東京の生活史』岸政彦 編 筑摩書房 4260円
・『ナンセンスな問い』友田とん 著 エイチアンドエスカンパニー 2200円
・『言葉だけの地図〜本屋への道のりエッセイ〜』宮崎智之・山本ぽてと 著 双子のライオン堂出版部 1100円
竹田さん:『東京の生活史』は、150人もの東京在住の方に生活の様子を語ってもらう膨大な記録誌です。住んでいる街の様子や、普段の生活から浮き上がってくるものがあって、もしかすると自分の街の印象が変わって見えるかもしれません。『ナンセンスな問い』は、生活の中で気にもとめないような事柄に”そんなところに着目するんだ!”といった発見があります。『言葉だけの地図〜』は、弊社の出版物なのですが、お二方の文章によって、本屋までの道のりが紡がれています。不思議な感覚なのですがその道のりにも物語があります」。
おわりに
ウェブサイトには「100年続く本と本屋」というキャッチフレーズが掲げられています。オンラインイベントやクラウドファンディングなど、独自の取組みはすべて100年継続するための施策なのだと、取材でお話いただきました。
こうしたマルチな活動が、地元だけでなく遠くから来るファンの支持を得ているのですね。
竹田さん:気軽に立ち寄っていただきたいですね。お客さんと本の話をして一日が終わる日もあるんですよ(笑)。本に詳しくなくてもヒントをいただければオススメの本を選書させていただきます。と、優しく語ってくれました。もうこれは新しい本に出会えるということ。
営業日は水曜日〜土曜日の15:00から。ぜひ赤坂駅から双子のライオン堂さんまで歩いてみてくださいね!
【店舗情報】
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AlkuTokyo編集部
東京メトロで発行するフリーペーパー『Alku Tokyo』、WEBサイト『AlkuTokyo.Web』の編集部です。毎日、東京をおもしろく駆け回っています。
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※本記事内の情報は2023年04月29日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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