公開:2023年06月23日
東京メトロ全駅にて絶賛配布中の新しいフリーペーパー「AlkuTokyo(アルクトーキョー)」。
Webページでもオリジナル連載として書店巡りをスタート。第3回は千代田線・根津駅から徒歩7分、谷中キッテ通り沿いの静かな場所にあるかわいい本屋さんです。
今回伺った「ひるねこBOOKS」さんは、作家とのコラボによる絵本の出版や、ギャラリーをつかった企画展など、多彩な取り組みをされている本屋さんでした。
猫の街”谷根千”を歩くと見えてくる住宅街にある本屋さん
谷中銀座商店街といえば、「夕やけだんだん」と呼ばれる象徴的な階段から様々なお店が続く人気スポットです。
いわゆる谷中・根津・千駄木をまとめた「谷根千」と呼ばれるエリアには、商店街以外にも小さいお店が密集し街歩きにも最適。そこに暮らす地域猫も暮らしやすそうな環境です。
今回ご紹介する「ひるねこBOOKS」さんは、谷中銀座商店街からちょっと離れた谷中キッテ通り沿いにあります。
最寄り駅は千代田線・根津駅から徒歩6分。クリーム色の外壁にグリーンの屋根が目印です。
やはり店名通り、猫の本を取り扱っているようですね。
扉を開けて店内に入ると、たくさんのイラストが展示してありました。作家さんたちのグループ展が開催されていたようです。どの絵も個性が爆発していて惹き込まれるような魅力がありました。
このギャラリースペースの奥に店舗があるようです。では入店。
ひっきりなしに訪れる常連さんの姿に地域密着性を感じる。
入店してみると、絵本と書籍の割合が高い印象を受けました。
猫の本から社会問題系など、そのラインナップが見ていて楽しい。まるで宝探しをしている感覚になります。
店内もちょっとレトロな雰囲気というか、昔の病院の様な小窓もあってとにかくかわいい。
ここで店主にお話を伺ってみましょう。
店主の小張 隆さん
ーーよろしくお願いいたします! 外観も内観もかわいいですね。
小張さん「ありがとうございます。オープン時はもう少し離れた位置にあったのですが2年前に移転してきました。ここはもともと診療所だったみたいです。仰るとおり、この小窓が受付けだったのでしょうね。入口の空間も待合室として使われていたようで、ギャラリーとして最適な空間になっています」。
ーー店名から、猫の本の専門店かと思いましたが、様々なジャンルの本があって楽しいです。
小張さん「谷中は猫の街なので、ゆっくりと昼寝をしている猫のような雰囲気がよくて店名にしました。猫が大好きなお客様も遠くからいらしてくれて。他にも、生活に関する書籍や北欧関連の書籍も取り扱っています。古本の買取りもしています」。
ーー店舗に入ってすぐの絵本棚が印象的なのですが、こちらは?
小張さん「うちのお店のオリジナルレーベルから販売している絵本なんですよ。これまでに9冊出ています。年1〜2冊のペースですね。のべ8名の絵本作家さんとコラボしています」。
ーーオリジナルのレーベルがあるのですね!
小張さん「そうなんですよ。絵本の世界はロングセラーの作品が強く、若い作家さんが新しく参入しにくい構図があります。世代を超えて同じ作品が読み継がれていますよね。それだけでなく、これから頑張っていきたい絵本作家さんを応援したい気持ちもあってレーベルを立ち上げました」。
ーーそういう背景があったのですね。たしかに作家さんとしては確かな実績となりますよね。
小張さん「実は、私が児童書の出版社に勤務していた経験もあって、その実情をどうにかしたいなと思い、ひるねこBOOKSを立ち上げた時にレーベルも作ろうとなりました。自分もこの業界のことがわかりますし、こうした繋がりでリリースした方が、自主出版をするよりも信頼度も高まります。ここから作家さんに羽ばたいていってほしいという願いもありますね」。
ーー小張さんがハブとなって繋げているのですね!
小張さん「コラボすることによってストーリーや絵をブラッシュアップしていけますし、楽しいですね」。
小張さんのおすすめ3選!
ここで小張さんに、今推したい3冊をピックアップしていただきました。
(左から時計回りに)
『新版 谷根千ちいさなお店散歩』南陀楼綾繁 著 WAVE出版 1,650円
『イラスト映えBOOK』田村 桂一(dooo Inc.) 山口真理子 著 翔泳社 1,650円
『ねこはすっぽり』松田奈那子 イラスト 石津 ちひろ 著 こぐま社 1,100円
小張さん「『新版 谷根千ちいさなお店散歩』は、このあたりにあるお店の店主さんにじっくり取材していて、どんな思いでその人がお店を経営しているかがよく伝わってくる一冊です。これを先に読むと谷根千散歩がもっと楽しくなると思いますよ。
『イラスト映えBOOK』は、”なぜこのデザインであるか”がわかりやすく説明された実用書ですね。配置や色使いなど、より伝わるイラストであるための理由が書かれています。自分がイラストを描かなくても、誰かにお願いする時にも役立ちます。あらゆるお仕事の色んな場面に応用できるアイデアがたくさん詰まった本なので、誰にでもオススメしたいですね。
『ねこはすっぽり』は、松田奈那子さんがイラストを担当されていて、この特徴ある線づかいを見てほしいです。展示がきっかけになって生まれた一冊でもあります。お店の4周年の時に描いていただいた絵をオリジナルのトートバッグに使い、ずっと販売もしています」。
店主お気に入りの谷根千ショップ
小張さんはこの付近のマップの製作にも携わっており、この谷根千エリアに根を張って地元だけでなく遠くから訪れる人に向けて積極的に情報発信を行ってきました。
小張さん「例えば、選挙が行われるときも少しでも知っていただけるように情報発信をしています。全然、特別なことではなくて、ちょっとでも知ることによって、その人の人生がちょっとずつ変わっていく役割になれれば良いなと思っています。本の役割と似ていますよね」。
作家さんと市場をつなぐ大事な役割も担い、本屋さんの枠を飛び出しているお店だと感じました。
最後に、小張さんお気に入りのオススメショップをいくつか教えていただきましたので、ひるねこBOOKSさんを訪れた際、あわせて巡ってみてくださいね!
classico
ひるねこBOOKSさんのすぐ隣にある洋服や雑貨を取り扱うセレクトショップ。シンプルでユニセックスなウェアを取り揃えています。
小張さん「長く使いたい、質の良いアイテムばかり。特に長袖のシャツを愛用しています」。
住所:東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル102号
COUZT CAFE(コーツトカフェ)
ひるねこBOOKSから歩いて2分とすぐそこ。居心地の良い店内でいただくコーヒーやクラフトビールは散歩の立ち寄りにピッタリ!
小張さん「ご飯も音楽も雰囲気も全て最高。当店で買った本を片手に、ぜひくつろぎの時間を」。
住所:東京都台東区谷中2-1-11
公式サイト:http://couzt.com/
店舗情報
【ひるねこBOOKS】
住所 〒110-0001 東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル101
TEL 070-3107-6169
営業時間 12:00~20:00(土日祝は18:30頃まで)
定休日 火曜+第2水曜
※最新の営業スケジュールはブログにて
http://hirunekodou.seesaa.net/article/496019306.html
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AlkuTokyo編集部
東京メトロで発行するフリーペーパー『Alku Tokyo』、WEBサイト『AlkuTokyo.Web』の編集部です。毎日、東京をおもしろく駆け回っています。
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※本記事内の情報は2023年06月23日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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