六義園近く、不忍通り沿いの青い看板が目印

【書店めぐり連載#04】古書好きが駒込に集う理由。不忍通り沿いの『BOOKS青いカバ』_993808

東京メトロ南北線・駒込駅を降りて本郷通りを南へ歩き、不忍通りとの交差点に差し掛かると目印となる青いテントが見えてきました。


お店の前には小説や書籍などの棚があり、道行く人が次々と足を止めていました。


さっそく店内に入ってみると、店主と常連さんが「この前の本を読み終わったので次が読みたい」「こんなのはどうですか」と、個人の趣味から次のオススメをする会話が聞こえてきました。他にも「この料理集、ずっと探していました!」と驚いた様子で会計を済ませている人も。


常にお客さんが途切れず、それぞれが宝探しをしているような風景が展開しています。

子供向けの図鑑系の棚。大人も楽しめますね。

子供向けの図鑑系の棚。大人も楽しめますね。

積み上げられた本の数々。右奥が画集や写真集。部数の少ない写真集は値上がりしつづけているそうです。

積み上げられた本の数々。右奥が画集や写真集。部数の少ない写真集は値上がりしつづけているそうです。

気になるタイトルばかり。これは時間がいくらあっても足りない……。

気になるタイトルばかり。これは時間がいくらあっても足りない……。

左側の棚は小説。作者ごとに並んでいます。

左側の棚は小説。作者ごとに並んでいます。

店主の小国貴司さん

小国 貴司(おくに たかし)さん

小国 貴司(おくに たかし)さん

では店主の小国 貴司(おくに たかし)さんにご登場いただきましょう! こんにちは!


小国さん「こんにちは。わざわざ駒込までお越しくださいましてありがとうございます。今日はなかなかお客さんが途切れなくて」


ーーBOOKS青いカバさんはいま何年目になるのですか?


小国さん「2017年に自分が独立して開店して6年目ですね。前職は書店員でした」


ーー入口付近は子供向けというか、年齢層が低めの本がありますが、奥に行くにつれてコアな雰囲気になっていきますね。


小国さん「どんな人にも入って来やすい雰囲気を作りたくて、そうしています。親子で来て、親が子供のころ読んでいた本を見つけて、お子さんに読ませたりするケースもあります。土地柄、学芸員さんに立ち寄っていただいたりもしますが、なんでも置きます。新刊も取り扱ってますよ。


古本を扱っているので買取査定もします。遠方から送っていただくこともあるんですよ。私がお店にいないときはちょっとお時間をいただいちゃいますけど」


ーーさきほど「探していた本があった!」と喜ばれていたお客様も見えていましたね。


小国さん「そうですね。発行数の少ない本はとても希少で価値も上がっていて、中にはすごく高くなっている専門書もあります。ファンは色々と探し回っていますから、ウチにちょうど在庫があるときに来ていただくと出会えた!となるのでしょうね。


やはり本は出会いだと思っていますので、陳列にもこの本が好きな人はこういうのも好きだろう、みたいな棚にしています」


ーー昔はイベントなども開催されていたとか?


小国さん「そうなんですが、最近は在庫が増えてそのスペースも無くなってしまいましたね。棚が増えたんですよ。コロナもあって結果的にそうなった感じもしますね」


小国さんのおすすめ3選!

【書店めぐり連載#04】古書好きが駒込に集う理由。不忍通り沿いの『BOOKS青いカバ』_993814

ここで小国さんに、今推したい3冊を選んでもらいました。


小国さん「一冊は、絶版の詩集で現代版にアレンジされたものが販売されていますが、とても面白いので紹介します」



左上:『cent mille milliards de poèmes(100兆の詩篇)』レーモン・クノー著(絶版)


小国さん「これは1行ごとに誌が書かれているのですが、行ごとにバラバラになって、組み合わせを楽しむ詩集になっています。その数なんと100兆通りということで、とても全てを読み切ることはできない仕様になっています。1行ずつは短いのですがそれが膨大な数の組み合わせになる。クノーの実験的な作風がよく現れている1冊だと思います。そもそもフランス語も難しいんですけどね(笑)」



右上:『おばけリンゴ』ヤーノシュ 作・絵 / やがわ すみこ 訳(福音館書店):1320円(新品価格)


小国さん「こちらは多くの人が子供の頃に読んだ作品でもありますが、大人になって読むとまた違った感想を持てるところが興味深いと思います。ひどい話なのですが(笑)、それぞれの世代に響くという」。



中央:『うどん陣営の受難』津村 記久子著(U-NEXT):990円(新品価格)


小国さん「100分で読めるシリーズでおなじみの津村記久子さんの7月に出たばかりの新作です。次の代表を決める選挙がある会社が舞台になっていますが、派閥の争いや駆け引きなど社内政治のもろもろが津村さんの視点でコミカルに描かれています」

ページが細切れに……??

ページが細切れに……??

店主お気に入りの駒込ショップ

【書店めぐり連載#04】古書好きが駒込に集う理由。不忍通り沿いの『BOOKS青いカバ』_993816

駒込の地で営業されてきた小国さん。駒込の好きなところ、とくに良く行くお店をおしえていただきたいなと聞いたところ……。


小国さん「私は甘いものが好きでして。駒込はスイーツ系の良いお店がありますよ。駅の方に戻るのですが、さつき通りの『ボンガトウ』さん(下写真)。サバランが好きですね。こちらはイートインスペースがあってモーニングもランチもできます。線路を挟んで反対側のアザレア通りにも有名な中里さんがあります。ここは揚最中が美味しいです」

【書店めぐり連載#04】古書好きが駒込に集う理由。不忍通り沿いの『BOOKS青いカバ』_993817
【書店めぐり連載#04】古書好きが駒込に集う理由。不忍通り沿いの『BOOKS青いカバ』_993818

店舗情報

『ボンガトウ』

住所:東京都北区中里2-2-4

TEL:03-3915-1880

営業時間:9:00〜20:00

定休日:月曜日

【書店めぐり連載#04】古書好きが駒込に集う理由。不忍通り沿いの『BOOKS青いカバ』_993819

小国さん「そのアザレア通りからちょっと入ったところにある器のお店『標:しもと』さん(下写真)にもよく立ち寄りますね。セレクトが自分好みなんです」

【書店めぐり連載#04】古書好きが駒込に集う理由。不忍通り沿いの『BOOKS青いカバ』_993820

店舗情報

『標:しもと』

住所:東京都北区中里1-4-3

TEL:03-3915-1406

営業時間:11:00〜18:30

定休日:火曜日

URL:https://shimotoshop.com/



小国さん「街全体が落ち着いた雰囲気で歩くのが楽しいですね。まだまだ紹介しきれないくらい好きなお店が他にもあります。ぜひ、当店に起こしいただく際は駒込の街も見て回ってほしいですね。お待ちしております!」


店舗情報

【書店めぐり連載#04】古書好きが駒込に集う理由。不忍通り沿いの『BOOKS青いカバ』_993821

【BOOKS青いカバ】


住所 東京都文京区本駒込2-28-24


TEL 03-6883-4507


営業時間 11:00〜19:00


定休日 火・木曜日


公式サイト https://www.bluekababooks.net/

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本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2023年08月25日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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