公開:2023年12月21日
2023年6月、東京メトロ千代田線の始発・代々木上原駅の目の前に現れた複合施設「CABO(カボ)」。「職・住・遊の融合」をテーマに、様々なショップが入居し、南口から徒歩1分という好立地も魅力の一角です。
今回紹介する「CITY LIGHT BOOK」さんは、CABOの竣工からほどなくしてオープン。2017年に地元の幸福書房が閉店して以来、新刊を販売する書店が途絶えていた代々木上原エリアに再びできた本屋さんとなります。
「上原の本屋さん」としてスタートして、しばらく経過したところを取材させていただきました。興味深い選書はもちろん、積極的なイベント開催や併設のバーなど、人が集う場所としてのこだわりや展望を聞いてみました。
代々木上原駅前1分の好立地にある「CITY LIGHT BOOK」
「CITY LIGHT BOOK」のオープンは8月1日。代々木上原駅の南口から徒歩1分というアクセスの良さです。
勾配のある坂を少し登れば、すぐにCABOが現れます。脇の通路を奥に進むとCITY LIGHT BOOKさんに到着。
さっそく店内へ入ってみましょう!
店舗奥にはバーカウンターがあり、アルコールを楽しみながら店主とおしゃべりできる空間となっています。
代々木上原の地に久しぶりにオープンした新刊書店ということで、どんな本が並んでいるのかも気になるところですね。
1階の書棚はこのような感じ。
ジェンダー関連や、カウンターカルチャー、ZINEなど幅広いジャンルの取り扱い、さらにタイトルの並べ方に「あれもこれも」と読んでみたくなる工夫が感じられました。背表紙を眺めていると読みたい本が増えていきます。
続いて店舗奥の階段から2階に上がってみましょう。
2階は開放感のある大きな窓が特長の小上がりとカウンター席がありました。
そして書棚には、アメコミの原作本や料理本、そして児童書などが並びます。
ひととおり店内を紹介したところで、店主にご登場いただきお話を伺っていきます。
店主の神永泰宏さん
ーーよろしくお願いいたします! 神永さんは、もともと出版社にお勤めされていたのですね。今回はCITY LIGHT BOOKを立ち上げる経緯などについて伺っていきたいと思います。
神永さん「私は、株式会社トゥーヴァージンズという出版社におりました。事業の一環で2019年に本とお酒を楽しめるお店を渋谷にオープンしたのですが、ちょうどコロナが本格化した時期で、お酒の提供時間に制限がかかったり人流が極端に減ったりした時期がありました」。
ーー2020年になって、自粛傾向がより本格化しましたよね。
神永さん「はい、これからというタイミングで縮小してしまいました。ただ、そのスタイルの業態の感触がとても良くて。
本を介して集まる人たちが面白くて、その時の体験が『CITY LIGHT BOOK』に繋がっています。自分でお店を持つとしたら、このスタイルが良いなと」。
ーー代々木上原という土地に出店した理由はなんですか?
神永さん「もともとこの辺りが地元というのがひとつ。トゥーヴァージンズを退職して、お酒も提供できて人が集えるような書店を開くために、物件を探し始めました。
CABOのちょうど目の前に『幸福書房』という自分の大好きな書店があって、残念ながら2017年に閉店してしまい、街に新刊書店が無い状態が続いていました。そこにCABOができると聞いて出店することに決めました」。
ーー物件との出会いもタイミングが良かったのですね!
神永さん「そうですね。2階建てでイベントなどもしやすい作りになっています。オープン以降、様々な著者さんの出版記念イベントも行いました」。
ーーちなみに「CITY LIGHT BOOK」の店名の由来は?
神永さん「サンフランシスコに『City Lights Booksellers』というお店がありまして、今は観光地化してしまいましたが、出版関連の人や作家が行き交い、その交流によって新しい本が生み出される場所として多くの人に愛されました。自分のお店もこうなりたいとあやかり名付けました。
それと『街の灯=CITY LIGHT』として、そこに人が集まってくるような役割を担えれば、という願いも込めています」。
今推したい店主おすすめ選書
ここで神永さんに、今推したい本を選んでいただきました。
左から
「幸福書房の四十年 ピカピカの本屋でなくちゃ!」岩楯幸雄 著(左右社)
神永さん「先ほどご説明した幸福書房について書かれた本です。どのように人が集まってきたか、いかにこのお店が愛されていたかが書かれています。閉店した次の年の2018年に出版されました。自分の目標とするところでもあります」。
「家庭でできる自然療法」東城百合子 著(あなたと健康社)
神永さん「こちらは超ロングセラーですね。もう1100版くらいでISBNコード(書籍コード)もないほどの古い本ですが、内容も少しずつ現代風にアレンジされ続けている実用書です。この本があれば、ちょっとした怪我や病気などの対処法など、ずっと使える知識が得られる一生モノの本になっています」。
店主お気に入りの代々木上原エリアのショップ
神永さんより「アジア初のお店があるので、ぜひ紹介したいです」と、お店の2件隣に連れて行っていただきました。
いったいどんな「アジア初」なのでしょうか?
こちら、アジア初のトルティーヤの専門店「Tortilla Club TORTILERIA」。タコスなどに使用される生地(トルティーヤ)を専門として販売するお店は国内にここしか無いそうです。
神永さん「メキシコ料理屋さんはよく聞きますけど、”生地”を専門としているお店は日本、いやアジアでも珍しいそうです。
原料となるトウモロコシの品種も多彩で、それぞれに個性がありどれも美味しいです。具の入ったトルティーヤをイートインすることもテイクアウトもできます」。
【Tortilla Club TORTILERIA】
住所:渋谷区代々木上原1-32-3 CABO 104
TEL:03-6804-9712
営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜日
CITY LIGHT BOOKのこれから
8月にオープンして約5ヶ月。これからの展望を神永さんに聞いてみました。
神永さん「まだオープンしたばかりですので、書棚をさらに充実させていくことや、認知度をもっと上げていかなければなりません。
自分の地元に幸福書房さんがあったように『CITY LIGHT BOOK』も、ここ代々木上原エリアの『街の本屋さん』になっていきたいですね。
それが地元への貢献になれば嬉しいです。ぜひ気軽にフラッと立ち寄ってください」。
ーー神永さん、ありがとうございました!!
店舗情報
【CITY LIGHT BOOK】
住所 渋谷区代々木上原1-32-3 CABO 102
営業時間 13:00〜22:00
定休日 火曜日
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AlkuTokyo編集部
東京メトロで発行するフリーペーパー『Alku Tokyo』、WEBサイト『AlkuTokyo.Web』の編集部です。毎日、東京をおもしろく駆け回っています。
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※本記事内の情報は2023年12月21日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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