週刊つりニュース社屋の1階スペースにある書店

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東京メトロ・丸ノ内線の四谷三丁目から住宅街を進むと、モダンな建物が現れます。今回は、この建物の中にあるお店を紹介します。


この建物は「株式会社週刊つりニュース」の東京本社屋。釣り情報紙『週刊つりニュース』をはじめ、ウェブマガジン 『TSURINEWS』など、釣り人にはおなじみの日本各地の釣り情報を提供しているメディアの本拠地でもあります。


今回「新聞社が本屋さんを?」と興味が湧き、取材依頼をしたところ快くご対応いただきました! さてどんな本が販売されているのか気になりますね。

「魚」を題材としたタイトルを集めた「SAKANA BOOKS(サカナブックス)」

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建物に入ると、いわゆるオフィスビルのエントランスがあり、2階への階段の下に本棚が並ぶスペースが見えました。あそこが本屋さんスペースなのでしょう。

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どの棚を見ても、全て魚の書籍で埋め尽くされています。魚だけでなく水生生物や環境問題をテーマとした書籍も数多く見受けられます。また商業出版ではない自主制作本のラインナップも充実しています。


店名は「SAKANA BOOKS(サカナブックス)」。さっそく店主にお話を聞いてみましょう。

店主の船津紘秋さん

株式会社週刊つりニュースの代表取締役社長 船津紘秋(ひろあき)さん

株式会社週刊つりニュースの代表取締役社長 船津紘秋(ひろあき)さん

ーーこんにちは。今日はよろしくお願いいたします! 本棚を見ると魚をメインテーマとして扱っていることがよくわかりました。海というか地球全体の環境に繋がるような書籍が多いですね。


船津さん「ありがとうございます。もともと釣りに関するメディアの発行・運営がメイン事業ではありますが、商談スペースだったところを書店に変えてみました。これは私の独断ですすめました(笑)」。


ーー会社全体としてのプロジェクトではなかったのですね! どんなきっかけで始められたのでしょうか?


船津さん「コロナ禍で商談スペースの稼働が減ったことから、このスペースを活用したいなと。私たちはこれまで釣りの情報を提供してきたメディアですが、その対象となる魚は、資源や多様性の問題で、今曲がり角にあります。以前からそういったことを発信したいとの思いもあり、2022年7月にサカナブックスをオープンしました」。


ーー新聞社が作る書店ということで、周りのサポートなどもありましたか?


船津さん「そういうイメージがあると思いますが、そうでもないんです。私たちが主に作ってきたのは新聞メディアで、出版とはまた違うんですね。ですので書籍や雑誌といった、いわゆる出版方面の繋がりや情報がほぼなかったので、仕入れの方法などは自分で調べたり話を聞いて回ったりしました」。


ーーそういう事情があったのですね。


船津さん「はい、色んな個人系の書店さんも巡りましたし、仕入れ先との関係も、一から構築していきました」。


ーー雑貨や貸し本棚のようなスペースもありますね。


船津さん「海洋プラスチックゴミをリサイクルした小物や、ちょっとめずらしい缶詰、魚の皮で作られた財布など、魚に関連したものが集まっています」。

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船津さん「こちらは『SAKANA APARTMENT(サカナアパートメント)』という棚貸しスペースです。イラスト作品やアクセサリー、陶器などバラエティに富んだグッズが並んでいます」。

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ーー眺めているだけでも楽しいですね! 書籍だけでなく図鑑なども豊富で、親子連れで来ても楽しいですね。


船津さん「そうなんです。このエリアは四谷三丁目駅前の消防博物館や、おもちゃ美術館もあって、親子連れで来られることも多いんですよ。もちろん、魚好きのお子さんと親御さんがここ目当てで来られることもあります」。

今推したい店主おすすめ選書

ここで、船津さんがオススメしたい本を紹介していただきます。

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写真左から


「浦安魚市場のこと」(浦安魚市場写真集製作委員会)


船津さん「2019年3月末で閉場となってしまった浦安魚市場のドキュメンタリー映画があったのですが、その記録集ですね。いろんなお店さんのインタビューや、歴史が感じられる記録写真をまとめた素晴らしいものに仕上がっています。浦安に市場があったことを知っている人もどんどん減っていくと思うので、このようにして記録に残すことは大切ですね」。



「THE FISH 魚と出会う図鑑」(長嶋祐成 著 河出書房新社)


船津さん「魚を描いている長嶋祐成さんが、魚との出会いを絵と文章で綴っているイラストエッセイ集です。魚の色使いや表情が素敵でやさしい文章とともに惹き込まれます」。

裏表紙も素敵です

裏表紙も素敵です

さらに、サカナブックスさんが刊行した本もあるとのことで気になるところです。

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船津さん「ただ本を売るだけではなく、本という形で発信もしたいと考え、SAKANA BOOKSで出版レーベルも立ち上げました。


『水族館人 今まで見てきた景色が変わる15のストーリー』が初めての本ですが、水族館に関わる人たち、例えば飼育員さんはもちろんのこと、水槽や建物を設計した方にもお話を聞いています。


『サカナト vol.1』は、保全活動をする人や魚屋さんなど魚と向き合う人たちへのインタビュー集的な本になっています。次回作も進行中ですよ」。


※サカナブックスのオンラインストアから購入可能

https://sakanabooks.stores.jp/

魚を共通項に資源や環境にも目を向けたい

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国土を海に囲まれ、漁場も豊かなイメージのある日本ですが、このままでは魚の漁獲量も減ったり海洋汚染がより進んだりと、今まで通りの生活が難しくなる可能性もあります。


サカナブックスさんは、まず魚に興味を持ってもらうことから、その先の人々の生活に密接に関係している海や川など自然環境のことにも目を向けて欲しいというメッセージが強く感じられる品揃えでした。


さらに、併設されている「釣り文化資料館」では、貴重な釣り道具や資料などが見学できますので合わせてチェックしていただきたいと思います。

四谷三丁目エリアのおすすめスポット

最後に、このエリアのオススメスポットを船津さんに聞いてみました。


船津さん「魚繋がりだからというわけではないですが、こちらの鯛塩そばのやさしい風味がとても好きです。スープをそのまま出汁として使うお茶漬けとのセットも最高です」。

鯛塩そば 灯花 曙橋本店

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鯛塩そば(930円)鯛茶漬け(450円)

鯛塩そば(930円)鯛茶漬け(450円)

【鯛塩そば 灯花 曙橋本店】

店舗情報

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【SAKANA BOOKS(サカナブックス)】


住所:新宿区愛住町18-7(株式会社週刊つりニュース1F)


営業時間:12:00〜17:30


定休日:木・金曜日(その他臨時休業あり Xにて最新情報を確認)


URL:https://sakanabooks.jp/


X:https://twitter.com/SAKANABOOKS_

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※本記事内の情報は2024年02月22日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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