公開:2026年04月08日
2023年春に創刊したフリーマガジン「Alku Tokyo(アルクトーキョー)」。2026年春に創刊3周年を迎えたことを記念して、2026年3月28日にリアルイベント『Alku Day 2026』を開催しました。会場は昨年に引き続き、日比谷図書文化館 日比谷コンベンションホール。今回は第1部・第2部の二部構成で、当日は多くの方々にご来場いただきました。会場は終始にぎやかな雰囲気に包まれ、出演者の巧みな話術に笑いが起こる一方で、深い知識に何度も感嘆の声が上がる、熱気あふれる一日となりました。
創刊3周年を記念して開催!今年も“東京を歩きたくなる”一日に
今年の『Alku Day 2026』は、創刊3周年を記念して開催されたスペシャルイベント。第1部は「東京メトロ沿線さんぽが100倍楽しくなる!? ~達人が語る川と橋~」、第2部は「興味の花を咲かせる、道草のおもしろさ」をテーマに、それぞれ異なる切り口から東京の街歩きの魅力を掘り下げました。
受付では4月1日発行の『Alku Tokyo vol.13』をひと足早く配布。さらに、 AlkuDay限定クリアボトル、東京メトロ24時間券、電車シールなど、来場者特典も用意されました。
Alku Tokyoの最新号を手にしながら開演を待つ来場者の姿も多く見られ、創刊3周年の節目にふさわしい、華やかなスタートとなりました。
【第1部】川をたどり、橋を読み解く。達人たちの視点で東京メトロ沿線がぐっと面白く!
第1部に登場したのは、河川の達人・三橋さゆりさんと、橋梁の達人・紅林章央さん。川と橋という、東京の街に深く根ざしながらも、ふだんは意識する機会の少ないテーマを通して、東京メトロ沿線の奥深さをひもといていきました。
三橋さゆりさん――「東京の川を歩く」と、街の見え方が変わる
三橋さんのプレゼンテーションのタイトルは、「東京の川を歩く」。南高橋、亀島川水門、日本橋、八丁堀、神田川などを切り口に、現在の街並みのなかに残る“水の記憶”をたどる内容でした。古地図や時代ごとの地形の変化、現在の風景写真などを重ねながら、目の前に広がる街の背後にある時間の積み重なりを立体的に見せるお話に、会場の皆さんも引き込まれていきます。
とくに印象的だったのは、今見えている街を「いま」だけでなく、「かつてそこに何があったのか」という視点から読み解いていく面白さ。川が埋め立てられ、姿を変えたあとも、土地にはその痕跡や記憶が残っている。そんな三橋さんならではの語りに、会場からは何度も感嘆の声が上がりました。東京という街の輪郭が、少しずつ別のかたちで見えてくるような時間でした。
紅林章央さん――橋は“渡るもの”ではなく、“見るほどに面白いアート”だった
続いて登場した紅林さんのテーマは、「橋はアートだ!」。スクリーンいっぱいに大きく映し出された印象的なタイトルとともに始まったプレゼンは、その言葉どおり、橋を“都市の芸術”として味わう視点に満ちていました。
紹介されたのは、両国橋、南高橋、厩橋、二重橋、日本橋、八幡橋、四谷見附橋、法恩寺橋など、東京のさまざまな橋。設計者の思想、時代背景、装飾の意味、構造の工夫などが一つ一つ丁寧に語られ、橋が単なる交通インフラではなく、その時代の美意識や都市の理想を映した存在であることを伝わりました。たとえば南高橋は関東大震災後に両国橋の一部が移設されたこと、厩橋は国内唯一のドイツ表現主義デザインの橋であることなど、思わず誰かに話したくなるようなエピソードも次々に登場。会場には驚きと笑いが交互に広がりました。
ふだん何気なく渡っている橋にも、これほど豊かな物語がある。そんな発見に満ちた紅林さんのトークは、知識の深さと親しみやすさが同居した、まさに“達人”の語りでした。
第1部ラストはじゃんけん大会!会場が一つになる楽しい締めくくりに
第1部の最後は、「万世橋」を川と橋の両軸から解説するクロストークの時間。現地とカメラ中継を繋ぎながら、万世橋の半地下に潜む謎の空間についても解明していきました。また、来場者参加型のじゃんけん大会も開催。会場全体が一体感に包まれ、大きな盛り上がりのなかで第1部は幕を閉じました。川と橋というテーマを通して、東京メトロ沿線の街歩きの面白さをぐっと身近に感じられる、充実した90分となりました。
【第2部】路上観察と街なかアート。“道草”の先にある東京のおもしろさ
第2部には、林丈二さんと浦島茂世さんが登場。テーマは、「興味の花を咲かせる、道草のおもしろさ」。一見すると見過ごしてしまいそうな街の細部や、そこにあるアートに目を向けることで、東京の歩き方そのものが変わっていく時間となりました。
林丈二さん――街の細部に目を向けると、日常はこんなにも豊かになる
林さんのプレゼンでは、「三越本館外周一周観察」をテーマに、街を歩くなかで出会うさまざまなディテールを紹介。建物の装飾や記号、看板、金具、防火設備など、ふだん見過ごしてしまいがちなもののなかに、歴史や意味やユーモアを見出していく語りが展開されました。資料に並ぶ「気がつく」「考える」「行動する」といった言葉のとおり、路上観察とは、街をただ通り過ぎるのではなく、自分の目で面白さを見つけていく行為なのだとあらためて感じさせられます。
林さんの語りには独特の間とユーモアがあり、会場ではたびたび笑いが起こりました。それでいて、その背後には長年の観察に裏打ちされた深い知識があり、来場者の皆さんが熱心に耳を傾けていたのがとても印象的でした。
浦島茂世さん――“まちかどアート”を知ると、東京の景色はもっと面白くなる
浦島さんのテーマは、「まちかどのアート」。公共空間に置かれた彫刻やモニュメント、壁画などの“パブリックアート”を手がかりに、その歴史や楽しみ方を紹介しました。戦後の復興と平和の時代から、野外彫刻の広がり、「彫刻のあるまちづくり」ブーム、さらにファーレ立川や新宿アイランドのような象徴的な事例まで。まちかどアートには、その時代ごとの価値観や都市への思いが刻まれていることがよくわかる内容でした。
今回の会場となった日比谷公園の彫刻群の話題もあり、参加者の皆さんにとっても“見たことはあるけれど、ちゃんと見ていなかったもの”が次々と別の表情を帯びていきます。街のなかにあるアートを意識するだけで、東京を歩く時間が少し豊かになる。そんな実感を与えてくれるお話でした。
林さん×浦島さんの掛け合いで、第2部の魅力がさらにふくらむ
第2部では、それぞれのプレゼンテーションに加えて、二人の掛け合いも大きな見どころに。路上観察と街なかアートは別々のテーマのようでいて、どちらも「街を注意深く見ること」から始まるもの。二人の視点が交差することで、東京という街の面白さがさらに広がっていきました。会場からは笑いとともに、「そんな見方があったのか」という驚きの空気が何度も立ち上がっていたのが印象的でした。
笑いと驚き、そして“東京をもっと歩きたくなる気持ち”に満ちた一日でした
今回の『Alku Day 2026』を通してあらためて感じたのは、東京という街は、視点を持って歩くことで何倍も面白くなるということです。川をたどる、橋を読み解く、路上を観察する、街なかアートに目を向ける。出演者の皆さんが示したのは、どれもAlku Tokyoが創刊以来、大切にしてきた“街を見る視点”そのものでした。
当日は多くの方々にご来場いただき、会場は終始にぎやかで、笑い声と感嘆の声の絶えない一日に。ご来場くださった皆さま、そしてすばらしいお話を届けてくださった出演者の皆さま、本当にありがとうございました。
これからもAlku Tokyoは、東京メトロ沿線の街の魅力を、歩くことを通して再発見できるような視点を“ていねいに”届けていきます。
ライター
AlkuTokyo編集部
東京メトロで発行するフリーペーパー『Alku Tokyo』、WEBサイト『AlkuTokyo.Web』の編集部です。毎日、東京をおもしろく駆け回っています。
- 本記事内の情報に関して
-
※本記事内の情報は2026年04月08日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※本記事中の金額表示は、税抜表記のないものはすべて税込です。


